基礎解析分科会


 基礎解析分科会は,主に医薬品医療機器開発における統計解析業務に対して,業務上の課題の解決と情報共有を目的として活動しています。年度ごとに設定する研究テーマに関しての,調査・資料作成および定例会でのディスカッションを主軸とし,自由なテーマでの勉強会や,時には外部講師を招聘しての講演会も行うことで,専門的知識・ノウハウの蓄積やトレンドのキャッチアップ,課題解決に取り組んでいます。このような活動を通じて,医薬品医療機器開発における統計解析業務に関する参加会員個々のスキルアップに努めるとともに,研究会内外に於いて統計解析分野における情報発信と啓発活動を行っています。

【現在の主な研究テーマ[2023年8月時点]】


統計解析に関する勉強会・情報共有                 

 基礎解析分科会の参加会員個々の医薬品医療機器開発に関連する統計解析の知識と技術の向上を目指し,毎月自由なテーマで,発表形式の勉強会・情報共有を行っています。
直近の実績として,以下のようなテーマで勉強会を行いました[抜粋]。

第7回 データサイエンスラウンドテーブル会議 について
例数設計に関するハンドブックからのアレンジについて
DeSCデータベースのご紹介
観察研究における群間での患者背景の不均等調整
PythonとSASを活用して解析結果比較作業を効率化

試験デザインに関する調査                     

 2021年3月から本テーマの活動期間として,Adaptive Designを実装した事例に関して,文献調査を行い,数理的な側面の理解を深めることと,SASプログラムで目標被験者数の設定と統計解析業務を行えるようになることを目的として活動しています。2021年~2022年度にわたり,群逐次デザイン及びBayesデザインの実装を検討いたしました。今年度はこれまで検討したデザインのまとめ及び,Bayesian Adaptive Designによる試験デザインの実装を検討中です。

SASグラフ例題集                         

 2017年6月,[新版 実用SAS生物統計ハンドブック]を出版しました。こちらは統計解析を中心としたコンテンツとなっております。SASグラフも同様な成果物があると業務の効率化につながると考え,医薬統計解析で使われるグラフを中心に事例をまとめることにしました。生物統計ハンドブックと同様に実務的な例題と解説を載せることで,SASの初心者でも自分のイメージしたグラフを作成できるような成果物の検討をしております。

【過去の主な取り組み】


新版SAS生物統計ハンドブックの増刷     

 2017年6月,[新版 実用SAS生物統計ハンドブック]を出版しました。2021
 年3月,増刷と,それに伴う改訂作業を行いました。改訂に際して,新たに魚住
 龍史先生(京都大学大学院医学研究科 医学統計生物情報学教室 講師)を監修
 者としてお招きしました。

Pythonに関する基礎教育資料の作成     

 ・・>Python導入説明資料の作成
 ・・>SASとの比較
 ・・>お役立ちツール作成
 ・・>kaggleへの挑戦
 ・・>製薬業界におけるPythonの利用実態調査


疾患領域ごとの統計解析手法の研究     

 ・・>抗がん剤
 ・・>免疫系・アレルギー性疾患薬(乾癬,リウマチ,アトピー性皮膚炎,アレル
   ギー性鼻炎)
 ・・>認知症薬
 ・・>糖尿病
 ・・>代謝性疾患薬(骨粗鬆症,高尿酸血症・痛風)
 ・・>抗ウィルス薬(ウィルス性肝炎,HIV,インフルエンザ)
 ・・>ワクチン
 ・・>医療機器
 ・・>再生医療等製品
   

[新版 実用SAS生物統計ハンドブック]の作成と出版

 ・・>2017年6月 出版

 本書籍を題材とした以下の発表を実施。

 ・・>2018年6月 第2期 医薬安全性研究会 第22回定例会
 ・・>2018年8月 SASユーザー総会2018
 ・・>2019年9月 SASユーザー総会2019

疫学・大規模データの解析手法

 ・・>疫学研究デザイン
 ・・>リスクの指標
 ・・>傾向スコア

PMSにおいてよく利用する探索的解析利用法の整理

 ・・>多重ロジスティック回帰
 ・・>Cox回帰
 ・・>Cochran-Mantel-Haenszel検定

新入社員向け統計解析業務研修資料[講義ノート]の作成

 ・・>医薬品開発に関する規制,ガイドライン
 ・・>臨床試験の流れ
 ・・>統計解析業務内容

医薬品開発における統計解析業務の啓蒙活動

 ・・>[医薬品開発における統計解析業務の紹介]パンフレット作成
 ・・>上記を用いた,学生向け臨床試験統計解析業務セミナー開催

[実用SAS生物統計ハンドブック]の制作及び出版


[2023年8月末日現在]